『ポケットモンスター サン・ムーン』南国アローラで繰り広げられる新たな冒険!

公開日: 2025/6/11 更新日: 2025/5/19

『ポケットモンスター サン・ムーン』(以下、サン・ムーン) は、2016年にニンテンドー3DS向けに発売されたポケモンシリーズの第7世代作品です。

20周年を記念した本作は、南国をモチーフにしたアローラ地方を舞台に、従来のポケモンシリーズに新しい風を吹き込みました。

ジムリーダー制度の廃止や「リージョンフォーム」の導入、ポケモンとの絆を強化する要素など、シリーズの枠を超えた数々の挑戦が盛り込まれています。


さらに、物語の中核として登場する「ウルトラビースト」や、伝説のポケモン「ソルガレオ」「ルナアーラ」が、プレイヤーに壮大な冒険を提供します。

本記事では、『サン・ムーン』の特徴やストーリー、新システム、そしてその革新性について詳しく解説します。

1. ゲームの概要


『サン・ムーン』は、シリーズ初の南国風の舞台であるアローラ地方が物語の中心となります。

この地方は、火山、熱帯雨林、ビーチといった多彩な地形が広がり、ハワイをモチーフにした開放的でエキゾチックな雰囲気が特徴です。

また、アローラ地方は複数の島から構成されており、プレイヤーは「しまめぐり」という冒険を通じて各島を訪れます。


新たに追加されたポケモンは81種類で、シリーズ全体のポケモン数は802種類に達しました。

中でも注目されるのが、既存のポケモンがアローラ地方の環境に適応した姿で登場する「リージョンフォーム」です。

例えば、「ナッシー」は通常の草タイプに加え、「ドラゴンタイプ」を持つユニークな姿となり、そのデザインもユーモラスなものに変化しています。


さらに、本作では従来の秘伝技が廃止され、新たに「ポケモンライド」という便利なシステムが導入されました。

これにより、冒険がよりスムーズに進むようになり、プレイヤーはフィールド探索の自由度を大いに楽しむことができます。

2. 新たなシステムとゲームプレイの進化


『サン・ムーン』では、これまでのポケモンシリーズにはない革新的な要素が数多く追加されています。

最も代表的なものはリージョンフォームでしょう。

リージョンフォームは、アローラ地方の環境に適応した既存のポケモンたちが新しい姿で登場するシステムです。

例えば、「ダグトリオ」は「じめん・はがね」へと変化し、ふっさふさの髪を生やした姿で登場します。

このシステムにより、シリーズファンは馴染みのあるポケモンの新たな側面を楽しむことができます。

2-1. Zワザ


『サン・ムーン』で注目を集めた要素の一つが、強力な必殺技「Zワザ」です。

Zワザは、特定の「Zクリスタル」をポケモンに持たせることで、バトル中に発動可能な一撃必殺の技です。

技はポケモンの持つ通常技を強化したもので、バトル中に1回のみ使用可能です。


例えば、「カビゴン」の専用Zワザ「ほんきをだすこうげき」は、そのユーモラスな動きと圧倒的な威力で多くのプレイヤーを魅了しました。

Zワザの導入により、バトルの戦略性が大幅に広がり、特定のポケモンや技の組み合わせを考える楽しみが増えました。

2-2. 試練と大試練

アローラ地方では、「ジム」に代わる新しい挑戦として「試練」と「大試練」が採用されました。

プレイヤーは、「しまキング」や「しまクイーン」と呼ばれる指導者から与えられる課題をクリアし、各島の「ぬしポケモン」と対決します。

ぬしポケモンは、通常の個体よりも大きく、能力値が強化されているほか、仲間を呼び出してバトルを有利に進める能力を持っています。


試練をクリアすると、しまキングやしまクイーンとの「大試練」に挑むことができ、彼らに勝利することで島めぐりの次の段階へ進むことができます。

このシステムは、従来のジム戦とは異なる新しい冒険スタイルを提供しました。

2-3. ポケモンライド

従来の秘伝技に代わり、新たに「ポケモンライド」が導入されました。

プレイヤーは特定のポケモンを呼び出し、岩を壊したり、水上を移動したりすることができます。

例えば、「リザードン」は空を飛ぶ手段として、「ケンタロス」は岩を破壊する移動手段として使用されます。

このシステムは、フィールド探索の利便性を大幅に向上させ、秘伝技を覚えさせる煩わしさを解消しました。

3. ストーリーとキャラクター


『サン・ムーン』のストーリーは、ポケモンと人間の絆、家族の愛、そして未知なるウルトラビーストとの遭遇をテーマに展開されます。

プレイヤーは、アローラ地方に引っ越してきた主人公となり、新たな冒険を始めます。

主人公には、明るく元気なライバルであるハウや、ミステリアスな少女リーリエといった仲間が加わります。

リーリエの抱える家族の問題や成長は、物語の中で重要な役割を果たし、感動的な展開を生み出します。

3-1. エーテル財団とスカル団

物語の中で、ポケモン保護を目的とする組織「エーテル財団」と、悪の組織「スカル団」が登場します。

エーテル財団の代表であるルザミーネは、一見してポケモンを愛する人物ですが、その行動には歪んだ愛情と執着が見え隠れします。

一方、スカル団はアローラ地方に混乱をもたらす存在として暗躍し、物語を通じてプレイヤーの前に立ちはだかります。

4. ウルトラビーストの謎


「ウルトラビースト」 は、『サン・ムーン』で初登場した異世界の生命体です。

通常のポケモンとは異なる特性や能力を持ち、プレイヤーは物語を通じてその謎を追うことになります。

ウルトラビーストは、物語のクライマックスでプレイヤーに立ちはだかり、その存在感を強く印象付けます。

ウルトラビーストたちは、異次元「ウルトラスペース」からやってきた生物であり、プレイヤーは伝説のポケモン「ソルガレオ」や「ルナアーラ」の力を借りて、ウルトラスペースへのゲートを開き、異世界の探検に挑みます。

1.ウツロイド



ガラスの身体を持つ儚げな印象のウルトラビースト。

他の生命体に寄生し、理性を消失させる神経毒で宿主を狂暴化させてしまう非常に危険な存在。

2.マッシブーン



『サン』バージョンのみに登場。

体液やエネルギーを吸い取り、自身の体液と化学反応させる事で凄まじい筋力を実現するウルトラビースト。

何かと自らの肉体を見せつける様な仕草を取るという。

3.フェローチェ



『ムーン』バージョンのみに登場。

性別関係なくポケモンを魅了し敵意を失わせるフェロモンと、雷すら避けられる爆発的な瞬発力を持ったウルトラビースト。

他の世界のものを穢らわしく感じ触ろうとはしない。

4.デンジュモク



電線に酷似した姿と体組織を持ち、凄まじい電力を蓄え放出する電撃のウルトラビースト。

電力不足を補うため、発電所を襲撃する事も。

5.カミツルギ



『サン』バージョンのみに登場。

全身が恐ろしい切れ味を有した刃物となっているウルトラビースト。

狂暴ではないが、襲い掛かってくる者は全てその身で容赦なく切り裂いてしまう。

6.テッカグヤ



『ムーン』バージョンのみに登場。

体内に膨大な可燃性ガスを内包する巨大なウルトラビースト。

森を焼き尽くし、宇宙まで飛行する程のロケット噴射を可能とする。

7.アクジキング



目の前にあるもの全てを無差別かつ無尽蔵に喰らい続け、その全てを完璧に消化してしまうというウルトラビースト。

進行方向に立っている人やポケモンは危険なので避難しよう。

8.コスモッグ



「星の子」とも呼ばれる、ガス状の身体を持った幼体のウルトラビースト。

非力かつ温厚な存在だが、危険を感じるとウルトラホールを開き、他のウルトラビーストが迷い込む要因を作ってしまうという。

9.コスモウム



「星の繭」とも呼ばれるウルトラビースト。

眠り続け成長の時を待っている。

10.ソルガレオ



『サン』バージョンのパッケージ伝説。

体内の莫大な光エネルギーを放出し、闇夜も真昼の様に光で満たすウルトラビースト。

太古にその存在を目撃したアローラの民は「生まれ行く命を育む存在」と崇め敬ったとされ、書物には「太陽を喰らいし獣」という名で存在が記されている。

11.ルナアーラ



『ムーン』バージョンのパッケージ伝説。

周囲の光エネルギーを際限無く吸収し、真昼も月夜の様な神秘へ包むウルトラビースト。

太古にその存在を目撃したアローラの民は「生を終えた命を導く存在」と崇め敬ったとされ、書物には「月を誘いし獣」という名で存在が記されている。

5. オンライン要素と通信プレイ


『サン・ムーン』では、オンラインプレイの要素がさらに強化されました。

フェスサークルを拠点に、プレイヤー同士の交流やクエストのクリアが可能になり、他のプレイヤーの施設を訪れることで、冒険をより充実させることができます。


また、期間限定のグローバルミッションでは、世界中のプレイヤーが協力して目標を達成するチャレンジが用意され、オンラインプレイの魅力が大きく広がりました。

6. クリア後のやり込み要素


本作には、クリア後も楽しめるコンテンツが豊富に用意されています。

伝説のポケモンの捕獲や、「バトルツリー」 での強敵トレーナーとのバトル、さらにはウルトラビーストの探索がプレイヤーを待っています。

7. シリーズへの影響と評価


『サン・ムーン』は、従来のシリーズに大胆な変化をもたらし、新しいプレイヤー層にも広く受け入れられました。

特に、ウルトラビーストやZワザといった新システムは革新的であり、ポケモンバトルの楽しさをさらに高めました。

一方で、ジムリーダー制の廃止や新たな冒険スタイルに対しては賛否両論がありましたが、全体としてはシリーズの未来に向けた挑戦的な作品として評価されています。

8. 終わりに


『ポケットモンスター サン・ムーン』は、ポケモンシリーズの歴史に新たな1ページを刻む革新的な作品です。

南国アローラ地方での冒険、ウルトラビーストとの遭遇、そして感動的なストーリーは、プレイヤーに多くの驚きと楽しさを提供しました。

この作品は、シリーズにおける進化の象徴であり、ポケモンの新しい可能性を示す重要なタイトルとして、今も多くのファンに愛されています。