『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』自由に冒険!完全オープンワールド!

公開日: 2025/5/30

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(以下、スカーレット・バイオレット) は、2022年11月18日にニンテンドースイッチ向けに発売されたポケモンシリーズ第9世代の作品です。

発売から3日間で全世界1,000万本(うち日本は405万本)の売上を記録。

2周年となる2024年11月18日に国内販売本数が830万本を突破し、初代ポケモンゲームソフト『赤・緑』の国内販売本数を更新したことが報じられました。

そんな本作は、ポケモンシリーズ初の完全オープンワールド形式を採用し、プレイヤーにこれまでにない自由度の高い冒険を提供しました。

地中海を思わせる豊かな自然と文化が息づくパルデア地方を舞台に、広大な世界を自由に探索し、自分のペースで物語を進められるゲーム体験が話題となりました。


『スカーレット・バイオレット』では、新たなポケモンやシステムが多数導入され、ポケモンシリーズの未来を象徴する革新的な作品として注目を集めました。

この記事では、ゲームの概要、新要素、ストーリー、やり込み要素、そしてシリーズ全体への影響について詳しく解説します。

1. ゲームの概要


『スカーレット・バイオレット』は、パルデア地方という新たな舞台を中心に展開されます。

地中海をモチーフにしたこの地方は、山岳地帯、草原、湖、砂漠、雪山など多彩な地形を持ち、冒険心を刺激する美しい風景が広がっています。


本作では、約100種類以上の新しいポケモンが登場し、シリーズ全体のポケモン総数はついに1000種類を超えました。

特に、パルデア地方独自のポケモンや、過去作品のポケモンが新たな姿で登場する「リージョンフォーム」も話題となりました。

例えば、「ウパー」はパルデア地方で「どく・じめんタイプ」の姿に変化し、新たな進化形態「ドオー」に進化します。


また、『スカーレット』と『バイオレット』では、ストーリーの一部や登場する伝説のポケモンが異なり、それぞれのバージョンで独自の魅力が楽しめる作りとなっています。

プレイヤーは、自分だけの冒険を紡ぎながら、ポケモン世界の新たな一歩を体験できます。

2. 革新的な要素とゲームプレイの進化


『スカーレット・バイオレット』では、シリーズにおける進化を象徴する新システムが多数採用されています。

本作最大の特徴は、完全オープンワールド形式の採用です。

これにより、プレイヤーは物語の進行順序を自由に選べるだけでなく、広大なパルデア地方を隅々まで探索することができます。

従来のポケモンシリーズでは、ジムバトルやイベントが一本道で進行する構造でしたが、本作ではそれが大きく変化しました。


パルデア地方は、主に三つの物語と複数の地域で構成されており、プレイヤーはどの順序でもそれらに挑戦できます。

また、天候や時間帯によってフィールドの風景や出現するポケモンが変化するため、常に新鮮な冒険を楽しむことができます。

2-1. テラスタルシステム

テラスタルは、新たなバトル要素として導入されたシステムです。

ポケモンが結晶化することで、その姿と能力が変化し、特定の条件下で別のタイプになることがあります。

例えば、ノーマルタイプの「イーブイ」がテラスタル化することで「フェアリータイプ」に変化し、通常では使用できない技を活用した戦略が可能になります。

勿論、タイプ変更せずにテラスタルすることも可能です。

通常タイプ一致技は威力1.5倍なのですが、タイプ変更せずにそのままテラスタルしタイプ一致技を使用すると、なんと威力が2倍になります。

テラスタルの登場はバトルに新たな深みを与えるとともに、プレイヤーにさらなる戦略的な自由を提供しました。

このシステムは、特定のポケモンの特性を最大限に引き出すだけでなく、対戦シーンにも新たな刺激を加えています。

2-2. ライドポケモンと移動の自由

『スカーレット』では「コライドン」、「バイオレット」では「ミライドン」という伝説のポケモンが、冒険のパートナーとして登場します。

これらのライドポケモンは、陸上移動、水上移動、さらには滑空まで可能で、冒険の利便性を大幅に向上させました。

ライドポケモンの登場により、フィールド探索の自由度がさらに広がり、プレイヤーは隠されたエリアやアイテムを発見する楽しみを味わえます。

2-3. レッツゴー機能とオートバトル

新たな育成要素として「レッツゴー機能」が導入されました。

これは、手持ちのポケモンをフィールド上で自由に動かし、自動で野生ポケモンと戦わせることができるシステムです。

オートバトルにより、プレイヤーは効率的に経験値や素材を集められるため、育成の手間を大幅に軽減できます。

この機能は、プレイヤーがフィールド探索に集中しながら、ポケモンの育成を進める新しい方法として注目されました。

3. ストーリーとキャラクター


『スカーレット・バイオレット』では、三つの物語が同時進行で展開され、プレイヤーの選択に応じて異なる体験が楽しめます。

「チャンピオンロード」

ジムリーダーに挑戦し、ポケモンリーグでの優勝を目指す王道ストーリーです。

8つのジムを巡る中で、プレイヤーはそれぞれ個性的なジムリーダーたちとのバトルを楽しむことができます。

「レジェンドルート」

友人ペパーと共に伝説の食材「秘伝スパイス」を探す物語です。

巨大な「ヌシポケモン」とのバトルが中心で、秘伝スパイスに隠された謎を解き明かします。

「スターダストストリート」

パルデア地方で悪さを働くスター団のリーダーたちと戦うストーリーです。

彼らのバックグラウンドには意外なドラマがあり、単なる悪役にとどまらないキャラクター描写が見どころです。

3-1. 魅力的なキャラクターたち

物語には多くの個性的なキャラクターが登場します。

例えば、情熱的なチャンピオンのネモや、校長のクラベルは、プレイヤーの冒険を支える重要な存在です。

また、ペパーやスター団のリーダーたちなど、それぞれのストーリーに深く関わるキャラクターたちは、物語に感情的な深みを与えています。

3-2. コライドン


『スカーレット・バイオレット』で初登場した伝説のポケモン。

本作におけるパッケージポケモンの一体で「スカーレット」バージョンにのみ登場する。

バイオレット版に登場するミライドンとは対をなす。

スカーレットカラーが映える、恐竜のように逞しいトカゲや竜人の様な姿をしたポケモン。

PVでは全身がしっかり鱗で覆われていることが分かる。

頭部のウォーボンネットを思わせる羽根状のトサカが特徴的で、そこからは一対の一際長いハンドルの様な突起が生えている。

これは巻いてすぼめている翼であり、広げても飛ぶには不足であるが、空中を始祖鳥のように滑空可能。


また喉元にはタイヤを思わせるデュラップ(喉袋)が見られるが、これも硬質化した浮き袋らしく、水上に浮かぶことで活動圏を海や湖にまで広げていた模様。

尻尾の根元半分も同じようなベルト状になっており、こちらも巻くとタイヤを思わせる見た目となる他、腰部分にも生えた羽根はバイクの背もたれを、腿裏の突起はバイクのマフラーを彷彿させる。

自身の強大な力を自覚している威風堂々とした性質で、どんな相手にも危険を感じていないような素振りを見せる一方、好奇心も強く、警戒している人間にさえ気まぐれでじゃれ付いて来る場合もある。

3-3. ミライドン


『スカーレット・バイオレット』で初登場した伝説のポケモン。

本作におけるパッケージポケモンの一体で「バイオレット」バージョンにのみ登場する。

スカーレット版に登場するコライドンとは対をなす。

バイオレットカラーが映える、東洋龍じみた長い体型の機械竜チックな姿をしたポケモン。

両目をよく見るとカメラアイや液晶の様なドット調になっているのが特徴で、その目元からは細い針状のアンテナが2本ずつ伸び、張り出した喉元や尻尾は金属質のチューブで構成されている。


なお、前足の爪部分は回すことが可能。

脚部はジェットエンジンそのものの形状と機能を持ち、低空を浮遊する程度の推進力を放出可能。

電撃を始めとした遠隔攻撃もここから放射する(つまり、マフラー部分は前に向けることが可能)。


一見噴射口の所に爪が確認できる位で、足はないように見えるが、実際は細い膝から先を太い太ももに折り畳んでいるだけである。

冷静沈着な気質で人間には慣れている素振りを見せるものの、高い洞察力や観察力で相手がどんな人格なのかをしっかりと見極める。

表情の変化が少ない上に無機質なので、ほとんどの相手がミライドンの感情を読み取るのは困難を極める。

戦闘では常に自身が有利に進められる位置を浮遊しながら牽制し、電気を帯びた爪と牙、体内機関で発生させたエネルギーで威力を高めた尻尾攻撃で、どんな頑丈な敵さえも気絶させるという。

4. クリア後のやり込み要素

『スカーレット・バイオレット』には、クリア後も楽しめる豊富なコンテンツが用意されています。

クリア後には、より難易度が高い「テラレイドバトル」に挑戦できるようになります。

高難易度のバトルでは、特別な報酬や希少なポケモンが手に入ることもあり、プレイヤー同士の協力が鍵となります。

パルデア地方全域を探索し、すべてのポケモンを捕まえることは、コレクターにとって大きな目標となります。

図鑑完成を目指す過程で、新たな発見や感動が得られる点も本作の魅力です。

クリア後には、オンライン対戦で腕を試すことも面白いでしょう。

ランクバトルシステムを通じて、プレイヤーは自分のチームを磨き、世界中のトレーナーと競い合うことができます。

5. シリーズへの影響と評価


『スカーレット・バイオレット』は、ポケモンシリーズにおける新たな挑戦を象徴する作品です。

完全オープンワールドの採用やテラスタルシステムの導入は、従来のシリーズとは一線を画し、多くのプレイヤーに新鮮な驚きを提供しました。


一方で、発売当初は一部のグラフィックや動作に不具合が見られることも指摘されましたが、アップデートにより徐々に改善が進められています。

それでも、本作の革新的なゲームデザインと自由な冒険スタイルは、シリーズの未来を示す重要な一歩と評価されています。

6. 終わりに


『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は、シリーズの進化を象徴する記念碑的な作品です。

自由度の高いオープンワールド、テラスタルシステム、そして三つの物語がプレイヤーに多彩な体験を提供しました。

この作品は、ポケモンシリーズが持つ可能性を大きく広げたタイトルとして、多くのファンに愛され続けています。