Apex Legendsの抱える問題と今後の対応案についての議論
https://www.ggrecon.com/guides/what-we-know-about-the-apex-legends-save-titanfall-hack/
Apex Legends(エーペックスレジェンズ)ではチートが大きな問題となり、常に話題になっています。
ランクマッチの問題は特に深刻で、チート以外にもゲームバランスやDDoS攻撃など、様々な問題を抱えています。
ストリーマーやプロゲーマーもこれらの影響を受けています。
試合や配信の予定日にサーバーダウンなどでランクマッチをプレイできない日が続いたり、 高ランク帯では公平なゲームをプレイできない状況にあるからです。
1. チート問題
https://www.abacusnews.com/digital-life/buying-hacks-cheat-apex-legends-easy-china/article/3000841
Apex Legendsに限らず、チーターはゲーム業界に計り知れない悪影響を与えています。
NGR所属のSweetDreamsさんによると、Apex Legendsにチーターが劇的に増加したのは、2020年12月頃とのこと。
日本、台湾、シンガポールなどアジアサーバーを中心に1試合につき最大12人のチーターが現れるほどになっていました。
チーターの増加を受け、日本人を中心にアジアプレイヤー達は北米サーバーへ避難し始めました。
しかし、その動きを追ってチーターたちも北米サーバーへと広まっていく結果となったのです。
チーター達はBANされる可能性が低い「早朝(※北米時間)」に活動するといいます。
Respawnのセキュリティ担当も流石に早朝には寝てしまっていますからね。
2. DDos攻撃・ハッキング
DDos攻撃やハッキングもApex Legendsではホットな話題の1つです。
先日、Titanfall過激派によるハッキングが行われた事も記憶に新しいでしょう。
先日の事件では、プレイリストに限定モード「Save Titanfall」が出現し、Apex Legendsが一切プレイできない状態になりました。
このようなDDos攻撃やハッキングは様々なゲームやサービスに常に行われています。 そのため、各企業はDDos攻撃への対策を行っています。
Apex Legendsは、人気ゲームでありながらDDos攻撃やハッキングへの対策が不十分であるとの指摘もあります。
3. ユーザーは何もできない
チートやハッキングに悩まされるApex Legendsプレイヤー達ですが、残念ながらプレイヤーができる事は多くありません。
せいぜい出来る事は、二段階認証を設定して自分のアカウントがチートに利用されないように保護する事くらいです。
先述のSweetDreamさんの投稿は日本でも話題になり、多くの日本プレイヤーも 「#SaveApexRanked」のハッシュタグで様々な意見や思いが寄せられました。
その後、状況が改善しない状況を受け「APEX終わり」という言葉も話題になりました。
Apex Legendsで有名なVTuber・渋谷ハルさんはランクマッチの上位帯がいかに悲惨な常態かを常に発信し続けています。
4. 提案されている対策
https://www.metabomb.net/off-meta/gameplay-guides/apex-legends-pathfinder-guide-tipsabilities
チートやハッキング、ゲームバランスの問題を受け、コミュニティでは常に様々な議論が行われています。
先日、KungrnaオーナーのFortnite GuyさんとCloud9所属のZachさんによるApexに関するトーク動画が公開されました。
その動画にはゲストとしてApex LegendsのゲームバランスデザイナーのJohn Larsonさんも参加しています。
動画内ではゲームバランスについてを中心に、様々な提案や議論が行われています。
4-1. ランクマッチ参加に必要なレベルの格上げ
Apex Legendsでは、現在ランクマッチへの参加に必要なレベルは10です。
そのため、少しカジュアルをプレイすれば誰でもランクマッチに参加できます。
しかし、この条件の緩さはチーターがランクマッチに出現しやすい状態を生み出していると言います。
John Larsonさんも一定の効果を認めています。
しかし、善良なプレイヤーもランクマッチ参加への壁が高くなる事で不満が高まるリスクもあると言います。
例えば、ランクマッチに参加できるレベルを「50」に設定したとします。
今日レベル10に達した人が「明日からランクマッチ参加条件はレベル50になる」と言われたどうでしょう。
その人はApex Legendsのやる気を失ってしまうかもしれません。
とはいえ、ランクマッチ参加条件の調整は最もあり得る方法の1つだそうです。
4-2. 二段階認証の強制
https://blog.malwarebytes.com/101/2018/09/two-factor-authentication-2fa-secure-seems/
フォートナイトなどのゲームでは大会などの参加に二段階認証を強制しているものもあります。
Apex Legendsも同様に、ランクマッチへの参加条件に「二段階認証」や「バトルパス購入」を義務化してはどうかという提案も行われました。
それに対してJohn Larsonさんは、二段階認証は期待されているほどの効果は得られないと言います。
電話番号やメールアドレスの偽装は今や誰にでも出来るからだそうです。
4-3. ランクポイントの自動減少
現在のApex Legendsのランクマッチは「降格保護機能」があります。
これは、高ランク帯プレイヤーがあえてランクマッチをプレイをしないことで、ランクを維持できる状態を招いています。
その状態を改善するためにランクマッチをプレイしないことでの「ランクポイントの自動減少」が提案されています。
それに対してJohn Larsonさんは、それについては「対策を検討中」とのみ応えています。
4-4. マップ選択
https://www.metabomb.net/off-meta/gameplay-guides/apex-legends-map-guide
Apex Legendsのマップは定期的にローテーションが行われています。
それに対して、マップをプレイヤー側で選択出来るようにする提案が行われました。
それに対してJohn Larsonさんは、「得意なマップのみをプレイしランクを上げるプレイヤーが出る」と応えました。
確かにそれはその通りでしょう。 マップが自由に選べるのであれば、不得意なマップをプレイする意味は無くなります。
また、マップの人気に偏りが出る事も容易に想像がつきます。
この提案が採用される可能性は極めて低いと言って良いでしょう。
5. 次世代チートの驚異
https://automaton-media.com/articles/newsjp/20210713-168724/
アンチチートのボランティア団体「Anti-Cheat Police Department」によると、 「次世代チート」が誕生ししつつあると言います。
次世代チートの対象はPCゲームに限られた話ではありません。
PS5、XBOX Series X、Nintendo Switchなどのコンソール機を含む全てのプラットフォームで動作するのです。
次世代チートツールはAIによる学習機能も搭載されているのです。
映像認識により画面のオブジェクトを認識、より高精度なオートエイムが可能になっているそうです。
別途PCが必要になるものの、キャプチャーボードとコンバーターを経由し、PS5やXBOX Series Xでも使用が可能になるようです。
オートエイムに限らず、アンチリコイルも既に実現済みであるそうです。
次世代チートはゲームの書き換えを行わないため、現行のアンチチートシステムでは検出できません。
これら次世代チートが流通してしまえば、チート問題は更に激化してしまうかもしれません。
5-1. 次世代チートへの対策
次世代チートの1つに「CVCheat」と呼ばれるものがあります。
このチートツールはチーターに普及する前に開発が中止されたようです。
CVCheatの開発者USER101は、CoD War Zoneなどの開発元「Activision」から連絡を受け、開発を中止したと発表しています。
USER101は、CVCheatの技術は「手足の不自由なゲーマーの補助になり得る技術だったがネガティブな影響を引き起こす可能性があると判断した」と釈明しています。
Youtubeに投稿されていたCVCheatのプロモーション動画も通報を受けて削除されています。
しかし、CVCheatのファイルは既に流出し第3者が開発を再開しているかもしれません。
また、使用されている技術が判明しているため、誰かが同様のツールを開発する可能性もあります。
現状、次世代チートへの技術的対応はほぼ不可能とされています。
そうなると、各メーカーはチート開発者や販売業者に対する法的措置を取る他ないかもしれません。
6. まとめ
今回はApex Legendsが抱える問題と、今後の対応案についてまとめてみました。
「Apexの問題」として記述しましたが、チートやハッカーの問題は全てのゲームの問題です。
我々プレイヤーに出来ることは無いに等しいですが、怪しい動きのプレイヤーを見つけたら即座に通報しておきましょう。
微力ではありますが、少しは開発や運営のチート対策に協力できるはずです。