話題のラピッドトリガーとは?対応ゲーミングキーボードも紹介
https://wooting.io/wooting-60he?drawer=1
最近、Valorantを中心にFPSゲーマーの間でゲーミングキーボードの「ラピッドトリガー」と呼ばれる機能が話題になっています。
「Wooting 60HE(ウーティング)」が搭載している機能として話題となり、最近は様々なゲーミングデバイスメーカーがラピッドトリガーを模倣した機能を搭載し始めています。
これからはラピッドトリガー相当の機能を搭載しているかどうかでゲーミングキーボードの性能評価は大きく分かれることになるでしょう。
1. Wootingは以前よりラピッドトリガーを搭載していた
https://wooting.io/wooting_two_lekker
「Wooting(ウーティング)」は2015年からキーボードを製造・販売しているキーボードメーカーです。
2016年には既にアナログ入力に対応したキーボードを開発し、2020年にはラピッドトリガーを発表しています。
ラピッドトリガーが発表された頃はValorantのゲーム研究も進んでおらず、ラピッドトリガーはあまり注目されていませんでした。
Wootingに注目していたのは、一部のゲーミングデバイスマニアくらいでした。
それから3年近く経ち、Valorantのプロゲーマーが利用している姿が大会の配信などで見られるようになり、一気に知名度が高まりました。
2. ラピッドトリガーとは? おすすめのゲームは?
https://wooting.io/post/what-is-wootings-rapid-trigger-for-analog-keyboards
ラピッドトリガーを搭載していない普通のキーボードは「アクチュエーションポイント(ONになる場所)」と「リリースポイント(OFFになる場所)」が固定化されています。
※画像左
それに対してWooting 60HEなどラピッドトリガーを搭載しているキーボードは、アクチュエーションポイントを0.1mm~4.0mmまで自由に変更できます。
ユーザーが任意で設定したところまでキーを押し込むとONとなり、押下中のスイッチ位置に対してリリースポイントが自動追従されます。
リリースポイント通過後にOFFとなり、再度キーを押し込むと入力が可能です。
この「ラピッドトリガー」の機能を利用するとキーボードでも高速な入力が可能になります。
ValorantやCS2などストッピングをするためにキーを連続入力する場面が多いゲームでは、Pay to Winと言っても過言ではないでしょう。
逆に、APEXなどストッピングをしないゲームでの活用方法は今のところあまり考察されていないように感じます。
Valorantを主にプレイする人であれば、ラピッドトリガーを搭載しているキーボードを購入することを強くおすすめします。
※以下、アクチュエーションポイント(AP)・リリースポイント(RP)とします。
3. ラピッドトリガーに対応しているキーボード
現時点(2023年7月24日)でラピッドトリガーに対応・対応予定のキーボードをまとめてみました。
※今回紹介するものには「ラピッドトリガーに似ているが少し違う機能」の物も含まれます。
3-1. Wooting 60HE
https://wooting.io/wooting-60he
「Wooting 60HE」はラピッドトリガーを開発したWooingの最新キーボードです。
Wootingはラピッドトリガー流行のきっかけを作ったメーカーであり、最高の性能のキーボードを製造・販売しています。
多くのValorantプロプレイヤーが使用しており、一大ブームを引き起こしています。
【Wooting 60HEの性能】
・AP・RPの変更:
0.1mm~4.0mm 0.1mm刻みで設定可能。
・ラピッドトリガー:
AP・RPが自動追従し、AP・RP共に0.15mm~2.35mmから0.05mm刻みの変更が可能。
・タキオンモード:
‐2ms~-1msへ応答速度を最適化。
【問題点】
・英語配列しかない。 ※日本語配列非対応
・海外公式サイトから個人輸入するしかない。
・海外から発送&人気商品のため到着まで2ヶ月ほどかかる可能性がある。
・日本語でのサポートに非対応
3-2. ZENAIM Keyboard
https://zenaim.com/products/zenaim-keyboard
「ZENAIM Keyboard」は日本企業の「株式会社東海理化」が開発した超高級キーボードです。
車の部品にも使われている「磁気センシング技術」を応用して開発されてた独自の「ZENAIM KEY SWITCH」は、0.3mm~1.8mmまで0.1mm単位でのON・OFF動作を設定することができます。
独自ソフトウェアでは、プロゲーマーの設定をそのまま読み込むことも可能になっています。
【ZENAIM Keyboardの性能】
・APの変更:
0.3mm~1.8mm 0.1mm刻みで設定可能。
・RPの変更:
任意のAPから-0.1mm刻みで設定可能。
・MOTION HACK(ラピッドトリガー):
AP 0.1mm~1.7mmのうち、0.05mm刻みで設定可能。
※MOTION HACKへの対応アップデートは2023年8月中に行われる予定です。
https://zenaim.com/products/zenaim-keyboard
ZENAIM Keyboardのアップデート・キーキャップの追加は2024年3月にかけて行われる予定です。
毎月のようにキーボードの進化を楽しめるのも面白い点ですね。
【問題点】
・値段だ非常に高い:48,180円
・日本語配列のみ ※英語配列が良い人は注意
・サイズが選べない ※テンキーレス(TKL)のみ
・MOTION HACK(ラピッドトリガー)対応は2023年8月以降
・独自キーキャップのため、Cherry互換キーキャップは非対応
3-3. Realforce GX1
https://www.realforce.co.jp/products/X1UC13/
日本の大手キーボードメーカー「東プレ」は「Realforce(リアルフォース)」シリーズを販売しています。
「Realforce GX1」は「Realforce RGB」に続く、東プレのゲーミングキーボード第2弾です。
東プレの独自スイッチ「静電容量無接点方式」は物理的な接点がないため、寿命が長く押し心地が良いことで、長年多くの愛用者がいました。
【Realforce GX1の性能】
・APC設定(アクチュエーションポイント):
0.1mm~3.0mmで0.1mm刻みで変更可能。
・Dynamic Mode(ラピッドトリガー):
APCに対してAP・RPが自動追従し、AP・RPを個別に0.1mm~2.5mmのうち0.1mm刻みで変更可能。
※2023年7月12日のアップデートで対応済み
・Kill Switch:Kill Switch機能を有効にすることで、AキーとDキーの同時入力が無効化され、後に押された方の入力を優先する機能。
Realforce GX1はDynamic Mode(ラピッドトリガー相当)だけでなく、Kill Switchという独自機能に対応しています。
Kill Switchを有効化すると、AキーとDキーの同時入力が無効化され、後に押された方の入力が優先されます。
※A、Dキーのみ有効
この機能により、APEXなど動きが素早いゲームでの移動切り替えや「タップストレイフ」などのキャラクターコントロールがやりやすくなります。
【問題点】
値段が高い:33,000円
テンキーレス(TKL)のみ
Realforce GX1は、神奈川県相模原市へのふるさと納税の返礼品にもなっています。
3-4. DrunkDeer A75
https://www.drunkdeer.com/ja-jp/products/adjustable-keyboard-magnetic-switch-a75
「DrunkDeer(ドランクディア)」とは、2018年に香港で設立されたばかりの新興キーボードメーカーです。
Amazonでも販売されており、ラピッドトリガー搭載ながらもお手軽な価格が魅力的です。
【DrunkDeer A75の性能】
・APの変更:
0.4mm~3.6mmで0.2mm刻みでキーごとに設定可能。
・ラピッドトリガー:
0.4mm~3.6mmで0.4mm刻みで設定可能。
※ラピッドトリガーは試験実装状態:公式Discordに参加することでダウンロードできます。
【問題点】
・英語配列のみ
・キーキャップなし版あり ※交換キーキャップが無い人は間違えて購入しないこと
・ラピッドトリガーはテスト段階 ※不具合がある可能性も
3-5. SteelSeries Apex Pro(懸念点あり)
https://steelseries.com/gaming-keyboards/apex-pro
以前から大人気だったゲーミングキーボード「SteelSeries(スティールシリーズ)」の「Apex Pro(エーペックスプロ)」。
今後のアップデートで「ハイパートリガー」という機能を追加するアップデートがあると発表がありました。
しかし、ハイパートリガーがラピッドトリガーと同等の機能であるかは疑問が残る状態です。
Apex Proの性能自体は文句のつけようがありませんが、ハイパートリガーの詳細が不明瞭ですし、アップデート後の様子を見てから購入を検討しても遅くはないでしょう。
【Apex Proの性能】
・APの変更:
0.2mm~3.6mmで0.1mm刻みでキーごとに設定可能。
※夏のアップデートで0.1mm~4.0mmに変更予定。
・ハイパートリガー(ラピッドトリガー?):
各キーのリセットポイントが設定可能に。
※ハイパートリガーがラピッドトリガーと同等の機能であるかは現状では不明。
4. おすすめは やはりWooting 60HE
https://wooting.io/wooting-60he
ラピッドトリガー相当の機能があるゲーミングキーボードをいくつか紹介してきましたが、やはり最もおすすめなのは「Wooting 60HE」です。
ラピッドトリガーの開発元ですので確実にラピッドトリガーを搭載していますし、キーキャップの変更などのカスタマイズ性にも優れています。
次におすすめなのが「DrunkDeer A75」です。
Amazonで購入が可能ですし、キーキャップを持っている人はキーキャップ無し版でコストを抑えられます。