「QSPEC SURUGA」レビュー 日本のesportsチームが協力したGPROX専用マウスソール
2023年2月に発売されたばかりの最新マウスソール「QSPEC SURUGA」を入手しました。
そこで今回は、「QSPEC SURUGA」のレビューをお届けします。
1. QSPEC
https://twitter.com/QSPEC_official
「QSPEC(キュースペック)」は、日本のesportsチーム「Quintette Shizuoka(クインテット静岡)」とセヌウィー合同会社が協力して創設したeスポーツデバイスブランドです。
QSPECの第一弾は人気ゲーミングマウスLogicool G Pro X Superlight専用のマウスソールで、一般的なPTFEソールの「QSPEC SURUGA」とガラスソールの「QSPEC FUJI」の2種類のマウスソールが販売されています。
2. パッケージ・同梱物
「QSPEC SURUGA」はマウスソールの製品としては珍しく、箱型のパッケージに入って届きます。
ソール本体と張替え用のアルコールクリーナくらいしか入っていないeSportsTigerやCorepadに比べると、異常なほどに厳重かつ豪華なパッケージに感じます。
QSPEC SURUGAの同梱物は以下の通りです。
【QSPEC SURUGAの同梱物】
・100%PTFEソール:QSPEC SURUGA×2
・ソール剥がしツール
・アルコールクリーナー×2
・説明書
特徴的なのが、「ソール剥がしツール」と「説明書」でしょうか。
爪やマイナスドライバーを使わずにソールを剥がせるのでありがたいです。
今後、QSPEC以外のソールを購入しても流用することができます。
「説明書」に関しては、ソールの張り替えに慣れた人には不要でしょうが、始めてマウスソールを購入した人にとってはありがたいかもしれませんね。
3. 素材は100%PTFE
「QSPEC SURUGA」は「100%PTFE(テフロン)素材」で作られています。
筆者はこれまで同じく100%PTFEのマウスソール「eSportsTiger ICE」や「Corepad」を使用してきました。
それらのマウスソールと比べると、透明度が低く真っ白な色をしています。
見た目だけならば、「eSportsTiger Arc1」に近いと感じます。
※妙な光沢、ギザギザ感があるのは、保護シールが貼られているためです。
4. エッジ処理
「QSPEC SURUGA」のエッジは適切に丸め処理が施されているように感じます。
ハイブリッドマウスパッドでは多少のザラつきを感じますが、プレイに大きな影響を与えるほどではありません。
特にGPROXの後方部分にあたる「C型」のソールのエッジ処理が素晴らしいと感じています。
※妙な光沢、ギザギザ感があるのは、保護シールが貼られているためです。
5. QSPEC SURUGAの貼り付け方
では、実際にQSPEC SURUGAを「Logicool G Pro X Superlight(以下GPROX)」に貼り付けていきます。
なお、GPROXの純正ソールは特殊な点があるため注意して作業しましょう。
5-1. ソール剥がしツールを使ってマウスソールを剥がす
QSPEC SURUGAのパッケージに付属している「ソール剥がしツール」をソールガイドの用意された穴に差し込んで剥がします。
ソール剥がしツールを差し込む際は、力を入れすぎて自分の手やマウス本体を傷つけないように気をつけましょう。
【注意点】
筆者のGPROXは何度もマウスソールを張り替えているため写真はありませんが、GPROXの初期ソールは2重構造になっています。
上のソールを剥がすと下にもう1層黒いシールが貼られているので、それも忘れずに剥がしてください。
黒いシールを剥がさずに別のソールを貼ると、センサーとマウスパッドの距離が離れてしまい、動作不良の原因となります。
本体のプラスチックとネジ穴が見えるように慣れば、ソール剥がしは成功です。
5-2. マウスの底面をアルコールクリーナーで掃除する
マウスソールを剥がしたら「QSPEC SURUGA」のパッケージに付属している「アルコールクリーナー」で底面を掃除してあげましょう。
マウスソールを剥がすと、マウスの底面には前に貼っていたマウスソールの粘着剤が付着しています。
粘着剤が残っていると、新しいマウスソールが正しく貼り付けられない可能性があるため、しっかりと拭き取りましょう。
5-3. QSPEC SURUGAを貼り付ける
マウスの底面をアルコールクリーナーで綺麗に掃除したら、ついにQSPEC SURUGA本体をマウスに貼り付けていきます。
ソールガイド(ソール型の溝)に合わせて、綺麗に貼り付けるように意識しましょう。
QSPEC SURUGAの表面には「保護フィルム」が貼られています。
張替え後は忘れずに保護フィルムを剥がすようにしましょう。
本記事では上部の大きなソールのみの解説となりましたが、他の部分のソールも同様の手順で張り替えていきましょう。
6. QSPEC SURUGAの使用感
QSPEC SURUGAを使用して、実際にゲームをプレイしてみました。
感想を簡単にまとめるとこんな感じです。
【QSPEC SURUGAの使用感】
・マウスパッドにより感触が変化しやすい印象
・操作感での汎用性は高め
・APEXやOWなどのトラッキングゲーム向き
・耐久性は低めか
6-1. マウスパッドにより感触が変化しやすい
QSPEC SURUGAはマウスパッドの表面によってマウス操作中の感触が変化しやすいと感じました。
具体的に言うと、ソフトな表面ではより滑らかに、ザラついた表面でははっきりとザラザラ感を感じます。
マウス操作中の感触の面だけで見れば、ハードやハイブリッド系のマウスパッドよりもソフトな布製マウスパッドと相性が良いように感じます。
6-2. 操作感での汎用性は高め
QSPEC SURUGAはスピード系、コントロール系のマウスパッドを問わずに使用できるマウスソールであると感じました。
布系、ハイブリッド系など一般的なマウスパッドであればどの製品でも相性を選ぶことはないでしょう。
ただし、極端なハイスピード系マウスパッド(ガラス・CODURAなど)との相性は良くないかもしれません。
6-3. APEXやOWなどのトラッキングゲーム向き
QSPEC SURUGAは100%PTFEソールです。
eSportsTiger ICEほどではありませんが、スピードタイプのマウスソールに属します。
初動が非常に軽く、素早く滑らかな滑走速度が特徴です。
APEXやOverwatchなどのトラッキング精度が重視されるゲームとの相性が良いと言えます。
逆にValorantやCS:GOなどのフリックの精度が求められるゲームとの相性はあまり良くないかもしれません。
6-4. 耐久性は低めか
QSPEC SURUGAの耐久性は低いと言わざるを得ないでしょう。
ハイブリッド系マウスパッドである「X-raypad Aqua Control 2」でゲームを数日遊んだところ、表面に傷が目立つようになり、滑走速度も初期状態に比べると遅くなったように感じます。
そもそもPTFE100%素材の時点で耐久性を期待してはいけないのですが、CoprepadやeSportsTiger ICEと比べても劣化の速度は早いように感じます。
滑らかな表面の布製マウスパッド以外では、長期間の利用は厳しいかもしれません。
7. マウスパッドとの相性
筆者の手元にあるマウスパッドでQSPEC SURUGAとの相性を調べてみました。
※有名なマウスパッド(Artisan、Zowieなど)の抜けがありますが、ご了承ください。
【マウスパッドとの相性表】
・Puretrak P-51 Mustang:◎
・Puretrak MF1:△(ねっとり感強め)
・X-raypad Aqua Control Plus:◯
・X-raypad Aqua Control 2:△(ザラザラ感強め)
・X-raypad Aqua Control 零:◎
・Odin Gaming Zero Gravity:◎
・Skypad Glass 2.0 XL:✕(ソールが削れてしまう)
QSPEC SURUGAはスピード系・バランス系のマウスパッドを問わずに問題なく使用できます。
その反面、マウスパッドの表面素材によって手に伝わってくる感触が変化しやすいように感じます。
そのため、表面のザラザラ感が強かったり、逆にねっとりとした操作感のマウスパッドとの相性はそれほど良くないように感じます。
特に「X-raypad Aqua Control 2」のようなザラつきの強いマウスパッドや「Skypad Glass 2.0」のようなハードマウスパッドでは、ハッキリとしたザラザラ感とソールが削れている感覚が分かってしまいます。
QSPEC SURUGAは、布製マウスパッドかハイブリッド系でもザラつきが弱めの物を選ぶことをおすすめします。
筆者が所持しているマウスパッドの中でQSPEC SURUGAとの組み合わせに特におすすめなのが「X-raypad Aqua Control 零」です。
ハイブリッド系マウスパッドながらもザラつき感が強くなく、スピードとバランスを兼ね備えたバランス系の操作感を実現できます。
8. まとめ
今回は2023年2月に発売されたばかりの最新マウスソール「QSPEC SURUGA」をレビューしました。
QSPEC SURUGAは、スピード系の100%PTFEソールです。
マウスパッドとの相性は操作感では選びませんが、表面素材のザラつき度で大きく感触が変わるように感じます。
また、100%PTFEの特性上、耐久性が高くはありません。
QSPEC SURUGAと合わせるマウスパッドは、布製かザラつきが弱いハイブリッド系マウスパッドを選択すると良いでしょう。
操作感は「初動が早く」「滑らかなトラッキング」が可能です。
APEXやOverwatchなどのトラッキングが重要なゲームとの相性が良いです。
品質は非常に高く、1,000円で2枚のソールとソール剥がしツールも付属しているため、
非常にコスパ面でも優れているマウスソールと言えます。
GPROX専用ではありますが、スピード系で高品質なマウスソールを探している人はQSPEC SURUGAを試してみてはいかがでしょうか。