ROCCAT Vulcan TKL Proレビュー 光学式スイッチのテンキーレスキーボード
1. デザイン・スペック
ROCCAT Vulcan TKL Proの箱には「ROCCAT Vulcan TKL Pro本体」「USB Type-Cケーブル」「取扱説明書」が入っています。
ROCCAT Vulcan TKL Proは「テンキーレスキーボード」です。
以前は「英語配列」のみの販売でしたが、現在は「日本語配列」版も販売されています。
一時人気だった60%キーボードほどではありませんが、幅が狭いためマウスパッドのスペースを大きく確保でき、マウスをより大きく振ることができます。
マウスを大きく振るゲームが多い昨今、テンキーレスキーボードの需要は非常に高まっていますよね。
ROCCAT Vulcan TKL Proの表面はメタルプレートが採用されており、高級感があります。
ROCCAT Vulcan TKL Proのデザイン面で最も特徴的なのが、筐体からむき出しになって見えるスイッチとそのライティングです。
キースイッチなどの中身が見えるデザインはロマンがあって良いですね。
昔のクリアシェルのゲームボーイなどが好きだった人にはどストライクなデザインではないでしょうか。
スカスカなデザインだからと言って耐久性が低いなんてこともありません。
キーボードではそこまで重要ではありませんが、重さを図ってみました。
計測結果は、ケーブル抜きで「635g」でした。
極薄設計が効いているのか、ゲーミングキーボードにしては非常に軽量ですね。
https://www.roccat.com/collections/titan-switch-optical
ROCCAT Vulcan TKL ProはROCCATが独自開発したゲーム業界初の光学式リニアスイッチ「Titan Switch Optical」を採用しています。
作動点(アクチェーションポイント)は1.4mm。
約1億回のタイピングに耐える驚異の耐久性を誇ります。
一般的な5000万回程度なので、倍近い耐久力があるということです。
その耐久の高さは「Titan Switch Optical」の構造にあります。
一般的なメカニカルスイッチは物理的にキースイッチが押し込まれて動作します。
それに対して光学式スイッチは光によって作動するため、物理的な摩耗や損傷が発生しづらいのです。
メカニカルと異なるスイッチには他に国内のキーボード会社「Realforce(リアルフォース)」が採用する静電容量無接点方式スイッチがあります。
あちらはキーが押し込まれた際に電極同士が近づき、静電容量の変化を検知して入力を行う形式です。
静電容量無接点方式スイッチとTitan Switch Opticalには物理的な接点が無く、耐久性に優れるという共通点があります。
ROCCAT Vulcan TKL Proの右上部分には音量調整用のダイヤルとミュートボタ
2. 打鍵感
しかし、打鍵感は通常のメカニカルキーボードとあまり変わりません。
通常の赤軸系キーボードと比べると、少し高めの音が鳴ります。
青軸ほどではありませんが、密閉型のヘッドセットをしていても打鍵音は結構聞こえて来ます。
打鍵感は良いのですが、キーキャップに少し指紋が付きやすい印象です。
定期的に表面を掃除してあげたほうが良いでしょう。
3. 反応速度
Vulcan TKL Proの反応速度(アクチェーションポイント)は1.2mmです。
一般的にゲーム向けと言われている「銀軸」キーボードと同程度です。
ゲーマーの間で有名な超高速キーボード「Steelseries APEX PRO」は最速設定では0.4mmまで縮まるようですが、速すぎて使いにくいと感じるかもしれません。
普段使いとゲームの両方をこなしたい人にはVulcan TKL Proの1.2mmの反応速度は最適だと思います。
「一般的なキースイッチとの比較」
こう見るとROCCATのTitan Switch Opticalの反応速度は非常に速いことが分かります。
流石に最速設定のAPEX PROには劣りますが、普通にゲームを楽しむには十分過ぎる反応速度でしょう。
かつて最速と呼ばれた銀軸と同等の反応速度で倍近い耐久性があるというだけでも十分に使用する価値があるキーボードだと思います。
4. その他機能
ROCCAT Vulcan TKL Proの本体右上には音量調整ダイヤルとミュートボタンがあります。
ダイヤルを右に回すと音量が上がり、左に回すと音量が下がります。
ダイヤルの回転は硬めでクリック感があるため、細かい調整が出来るので安心です。
音量調整ダイヤルの左側にある横長のボタンがミュートボタンです。
これはパット見だけじゃ分かりにくいデザインですね。
上部にスピーカーにバツマークがついているマークなど、ひと目でミュートボタンだと分かる印が付いていればより良かったなと思います。
・Fn+F9:前へ
・Fn+F10:再生停止
・Fn+F11:一時停止・再生
・Fn+F12:次へ
5. ソフトウェア(ROCCAT SWARM)
https://support.roccat.com/s/downloads?language=en_US
ROCCAT Vulcan TKL ProはROCCAT製品の総合ソフトウェア「ROCCAT SWARM」に対応しています。
ROCCAT SWARMでは、様々な設定が可能です。
設定したプロファイルは最大5つまで保存することができます。
プロフィールは「.rkp」形式でインポート・エクスポートできます。
「サウンドフィードバック」はタイピング時に効果音を発生させる機能です。
面白い機能ではありますが、耳障りに感じる人も多いと思うのでオフで良いでしょう。
「キーリピート」はキーを押し続けている間にキー入力をリピートするまでの時間などを設定できます。
こちらも変にいじらずにデフォルトのままで良いでしょう。
「キー割り当て」ではマクロやショートカットキーの設定が可能です。
必要に応じて設定しましょう。
「キーイルミネーション」ではキーボードの光り方をカスタマイズできます。
おすすめはROCCAT独自のイルミネーション技術「AIMO」です。
細かい設定が不要で、ゲームやアプリのプレイなどに合わせて適切なイルミネーションを演出します。
ROCCAT SWARMは公式サイトから無料でダウンロードできます。
他のROCCAT製品の設定にも使えるので、ROCCAT製品を使用している人は忘れずにインストールしておきましょう。
「ROCCAT SWARM」
https://support.roccat.com/s/downloads?language=en_US
6. まとめ
「ROCCAT Vulcan TKL Pro」はROCCAT独自の光学式スイッチ「Titan Switch Optical」を搭載したテンキーレスゲーミングキーボードです。
同形状のゲーミングキーボードに「Vulcan TKL」がありますが、キースイッチが強化され耐久性と打鍵感がアップグレードされました。
キースイッチがむき出し、極薄、ゲーミングキーボードにしては軽いなど昔ながらのどっしりしたゲーミングキーボードとは全く異なるデザインをしています。
キーボード表面はメタルプレートでビルドクオリティは高く、高級感を感じます。
テンキーレスキーボードは機能が省かれがちですが、Vulcan TKL Proはそんな事はありません。
音量調整ダイヤルを含め、各メディア機能へのアクセスも用意されています。
付属のType-Cケーブルは取り外しが可能なので、自分好みのデザインのケーブルに付け替えられるのも良いですね。
筆者はパソコンをシャットダウンした後はType-CケーブルをRoccat Vulcan TKL Proから抜いてマウスやヘッドセットに挿して充電に利用しています。
ROCCAT Vulcan TKL Proは独自の光学式スイッチを採用しているためか、通常のテンキーレスキーボードに比べ少し値段が高くなっています。
しかし、その価格差が満足できる打鍵感と高い耐久性があります。
1億回ものキータイピングに耐える設計なので、気に入れば何年もの間使い続ける事ができるでしょう。
「ROCCAT Vulcan TKL Pro(商品サイト)」
https://jp.roccat.com/products/vulcan-tkl-pro
「ROCCAT(公式サイト)」
https://jp.roccat.com/