今時小中学生がなりたい職業「eスポーツ選手」について

公開日: 2020/12/21 更新日: 2020/12/21
https://www.esl-one.com/

2020年、eスポーツ後進国と呼ばれた日本にもついにeスポーツブームがやってきました。
ゲームが大好きな子供たちに夢を与えるプロゲーマーが、子供たちの夢の職業となる時代がやってきたのです。

今回は、そんなプロゲーマーを目指す子供たちの応援をするため、eスポーツの魅力について様々な角度からお伝えしていきます。

1. プロゲーマーを目指す子供たち


1-1. 「eスポーツ選手」将来なりたい職業に初登場

株式会社クラレにより2019年3月に行われた「将来就きたい職業」と「就かせたい職業」のアンケート調査の結果から、1位のスポーツ選手というカテゴリの中に、競技としてeスポーツが初登場しました。

他にも小学館発行のコロコロコミックのオンラインメディア、コロコロオンラインにて行われた「子どもが憧れる職業」アンケートでは、2位にプロゲーマー、3位に「ゲーム実況者」がランクインするなど、ゲームを生業としたいと考えている小中学生が増えてきています。

1-2. 小学生ゲーマーが注目を浴びているわけ


https://www.inside-games.jp/article/2018/07/25/116338.html

なんと既に、小学生プロゲーマーが存在しています。
彼女は「ほのか」さん。
2019年時点で小学5年生にもかかわらず、プロゲーミングチーム「忍ism」に所属するプロゲーマーとして、人気番組「マツコ会議」にて取り上げられました。

彼女は任天堂のゲーム「スプラトゥーン2」での才能を活かし、「忍ism」のチーム「花鳥風月」のメンバーとして活躍しています。

こういった小学生プロゲーマーの前例がメディア露出しているという事実も、小中学生がプロゲーマーに憧れる理由の1つです。

1-3. 小学生のeスポーツ大会があるって本当?


https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1228871.html

2018年には小学館の月刊誌コロコロコミックが主催となり、小学生を対象とした「スプラトゥーン2最強小学生軍団決定トーナメント」が開催されました。

2020年には東京eスポーツフェスタ実行委員会の主催によるeスポーツイベント、「東京eスポーツフェスタ」にて3タイトルのeスポーツトーナメントが開催され、そのうち「太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん!」においては小学生を対象とした大会が開催され、「パズル&ドラゴンズ」のトーナメントは年齢制限は無かったにもかかわらず、中学2年生の選手が優勝するなど小中学生のeスポーツシーンへの進出が進んでいます。

2. 職業としてのプロゲーマー


2-1. 子供がゲームばかり…は逆にチャンスかも

先ほど紹介した「ほのか」さんの例通り、今ゲームが上手であるということには社会的地位を伴わせることも可能です。

子供が勉強してくれない、ゲームばかりしている・・・そんな状況を芳しく思っていないご家庭のもあるかと思いますが、折角なのでその状況を子供の夢を叶えるチャンスとしてみるのは如何でしょうか。

小学生プロゲーマーの誕生を受け、昨今ではeスポーツスクールが開校されたり、習い事としてeスポーツを取り扱う教室も増えています。
近年ではeスポーツ大会の日本限定プロリーグや、プロを目指す学生向けの大会なども開催され始めているため、才能を発揮する機会は十分に増えてきています。

様々なタイトルで、様々な形で大会が開かれていますので、参加させてみて結果を残せたらプロの道を検討する、というやり方も良いのではないのでしょうか。

頭角を表し始めている選手が少しずつ表れてはいますが、世間に認知され始めている今だからこそ、ライバルの少ない今だからこそ、狙い目な業界と言えるかもしれません。

是非お子さんの「好き」、「得意」を後押ししてあげてください。

2-2. eスポーツはただのゲームじゃない

eスポーツは最早ただのゲームではありません。真剣勝負であり、所謂スポーツと同列に考えて良いものです。
マインドスポーツである囲碁や将棋などが最も近いジャンルと言えます。

ジャンルに寄りますが1対1で戦うタイトルからチーム同士がぶつかり競い合うタイトルまで幅広く存在しており、理解度、知力、戦略、などで競い、勝利を勝ち取ろうとする姿勢からはスポーツマンシップを感じさせられます。

そしてeスポーツは選手として参加するだけでなく、観客として観て楽しむこともできるコンテンツです。
インターネットでの配信の視聴のみならず会場へ行き生観戦も可能です。これも従来のスポーツに引けを取らない点です。


https://twitter.com/official_ljl/status/888033189632983041

こちらはRiot Gamesの運営する人気MOBA「league of legends」の日本大会LJLの会場です。
選手とファンが同じ会場に居合わせ、生の歓声を選手たちに届ける様は迫力があります。

観客が存在し、プロが存在するということは、従来のスポーツと同じように宣伝効果が見込めます。
つまり、経済効果も期待できるということです。

経済効果が期待できるということはこれから多くの企業が参入してくる事が期待されます。
例として先ほど挙げたLJLには、野球などで有名な「福岡ソフトバンクホークス」が参戦しています。

これから盛り上がること間違いなしのeスポーツ業界から目が離せません。

2-3. 大会賞金額はオリンピックを超えるタイトルも

様々なスポーツの大会に賞金が存在するように、eスポーツの大会にも高額の賞金が用意されています。

先ほど大会の例として挙げた日本限定の「league of legends」プロリーグ、LJLの春季大会「LJL 2020 spring split」の優勝賞金は1000万円となっています。
日本では法律の関係上、世界的に見て賞金が少な目に設定される傾向がありますが、これはオリンピック金メダルの賞金である500万円の倍額であり、これだけでもeスポーツ大会の賞金が高額であることをうかがい知ることが出来ますね。


https://store.steampowered.com/app/570/Dota_2/?l=japanese

他にも、Valve社の運営するMOBA「Dota2」にて行われた「the international 2019 Dota2 championship」の賞金総額は、なんと約37億円でした。

これはDota2のゲーム内課金が行われるとその内の25%が賞金に回されるという、日本では法的に行えない方法を採用しているためではありますが、大会一つの賞金総額としては莫大なものであり、eスポーツ市場の大きさがわかります。

同様にValve社の運営しているFPS「Counter-srike: Global offensive」の大会などによる賞金の年間総額は約88億円とされています。
このゲームでは銃やナイフのスキンを通貨にしたギャンブルが行われていることが特徴的です。

さらに先ほどオリンピックについても触れましたが、そのオリンピックの種目にeスポーツを取り入れる動きがあります。
2024年を予定されているパリ・オリンピックでは正式種目化を目指しています。

そのほかにも年間賞金総額が億を超えるタイトルばかりです。

3. 広がりを見せるeスポーツ業界


3-1. 海外のeスポーツ界が熱い

残念ながら日本は「eスポーツ後進国」と呼ばれてしまっています。

その理由としては、まだゲームが娯楽としてしか理解されておらず、プロゲーマーという存在の社会的立場が弱いところにあります。
近年はプロライセンスの発行などが始まっており、ようやくスタートラインに立てたというところです。

対照的に、eスポーツ最先進国である韓国などでは、2000年の時点で行政機関である「KeSPA」(Korea e-sports assosciation)が誕生、ゲームの公式大会を主催してきました。
国によってゲームが、そしてプロゲーマーの存在が認知され、後押しされてきました。
民度を危ぶまれがちなオンラインゲームの公衆文化化に備え、八百長や差別的発言などを取り締まってきたのです。

フィンランドは2018年に国からeスポーツと従来の運動系スポーツを同列に取り扱い、海外選手へのビザ発行など含めたスポーツ選手と同党の支援が行われています。

3-2. eスポーツに関する施設や学校が増えている

近年、海外では高等学校の選択授業としてeスポーツを取り入れた学校が増えています。

米国では400を超える大学がeスポーツをクラブ活動として承認し、高校には「high school esports league」という高校生限定の大会が開催され、それを受けアフタースクールの習い事としてeスポーツを取り入れている家庭も増加しているとのことです。

さらに、イギリスでは2017年、大学の学科としてeスポーツ学科が開設した例があります。
これは驚異的な業界の成長スピードが評価された形となります。

このような海外の動きを受け、日本でもeスポーツを取り扱う学校や学習塾のような施設が全国に現れ始めました。


https://www.anime.ac.jp/

こちら「TSA 東京アニメ・声優&eスポーツ専門学校」は2016年開校の日本初のプロゲーマー専門学校です。

プロゲーマーのみならず、eスポーツイベントを企画するプランナー、会場を盛り上げる実行解説など、eスポーツに関する様々な職を志す者を支援する施設となっています。

この動きを受け、eスポーツを専攻できる専門学校がどんどん増加してきています。
更にeスポーツスクールや家庭教師など、様々な形でeスポーツを学ぶことの出来るサービスが増加してきています。


https://esp-academy.jp/kids.html


https://gemutore.com/?maf=2361_1679223.30917.0..1196506321.1586508944

4. まとめ

年齢、性別、人種や障害の有無に関わらず、対等に競うことの出来るeスポーツは多様性社会である現代に溶け込み、今以上の発展を遂げることを予想されています。

この流れに第三者でなく、一人者として参加してみることも検討してみてはいかがでしょうか。