【esportsとは】いまさら聞けない?!知っておきたいeスポーツの基礎知識

公開日: 2023/4/5

近年、盛り上がりをみせているeスポーツ。

2021年の調査によると、男子中学生のなりたい職業ランキングは、「プロeスポーツプレイヤー」(17.0%)が2位でした。

しかし、eスポーツについてなんとなく知っている、言葉は聞いたことがあるけど実はよく知らないという人も多いのではないでしょうか。


この記事では、eスポーツに関する基本的な知識をまとめています。

これからeスポーツ選手を目指そうという方、eスポーツが何か良く分からない方はぜひ最後までご覧ください。

1. eスポーツとは

eスポーツとは何でしょうか。

辞書的に説明すると、エレクトロニック・スポーツの略で、電子機器を用いて行う競技やスポーツ全般を指します。

コンピューターゲームやビデオゲームを使ったスポーツ競技というとイメージが付きやすいかと思います。


身体を動かしていないのにビデオゲームがスポーツ?と思う方も多いでしょう。スポーツとは何なのでしょうか。

1-1. スポーツとは

スポーツの由来はラテン語の「deportare」(デポルターレ)という単語にあります。

デポルターレは、元々は「運び去る、運搬する」の意味でしたが、次第に気晴らしや遊び、楽しみ、休養といった気分転換を中心とする内容を指すようになりました。

つまり、身体を動かさなくてもスポーツだったということです。

(参考:中高生が思い描く将来についての意識調査2021 | ソニー生命保険)

1-2. eスポーツはマインドスポーツの一つ

身体を動かさないスポーツの一つにマインドスポーツがあります。

明確な定義はありませんが、高い思考能力を用いて競われるゲームを一種の「スポーツ」と見なしたもので、頭脳スポーツとも呼ばれています。(参考:マインドスポーツ - Wikipedia)

囲碁や麻雀、チェスなどがその例です。


マインドスポーツという言葉の起源には諸説あるようですが、1997年にはマインドスポーツオリンピアード(Mind Sports Olympiad)という競技大会が開催されました。

2005年には国際スポーツ団体連合(GAISF)の下、国際マインドスポーツ協会(IMSA)が設立されています。


このようにスポーツとしての立ち位置を獲得してきたマインドスポーツの一つに、eスポーツは含まれます。

囲碁やチェスと同じ様な立場だと知っていると、知らない人への説明がしやすいですね。

2. eスポーツの市場規模

一つのスポーツとして認知されてきたeスポーツは、実際にはどれくらいの盛り上がりなのでしょうか。

資料を基に、認知度、関心、市場規模を具体的に見てみましょう。

2-1. eスポーツの認知度


「ロイヤリティ マーケティング」調べ
https://biz.loyalty.co.jp/report/043/


10代から60代の全体で71%の人が、eスポーツについて聞いたことがあります。

しかし、その内の大半の人は詳しく知らないという結果でした。


男性女性ともに、若い人の方がeスポーツを知っている割合が高く出ています。

また、女性よりも男性の方が詳しく知っている割合が高いということでした。

2-2. eスポーツへの関心


「ロイヤリティ マーケティング」調べ
https://biz.loyalty.co.jp/report/043/


一方で、関心があるとはっきり回答した人は全体で10%しかいませんでした。

71%の人がeスポーツを聞いたことがあっても、全体としてはあまり関心は高くないようです。


新しい製品やサービスが普及するには、16%の壁があるといわれています。

これはキャズム理論という考えで、市場全体の16%を超えないと定着せずに消えてしまう恐れがあるとされます。

eスポーツの市場を開拓するには、全体の16%の人に関心を持ってもらえるかが重要です。

2-3. eスポーツの市場規模

eスポーツに関してどれほどの金額が動いているのでしょうか。

日本eスポーツ連合の資料では以下の通りです。(参考:2021年の国内eスポーツ市場規模は78.4億円11月刊行予定の「日本eスポーツ白書2022」の内容を先行公開 | 一般社団法人日本eスポーツ連合オフィシャルサイト)


日本eスポーツ白書2022/角川アスキー総合研究所


この資料によれば、2021年から2025年にかけて、市場規模は倍以上に成長すると予想されています。


成長する日本のeスポーツ業界では、ゲーム業界他業界を問わず、スポンサーになる企業が増加。

ホンダやコカ・コーラもスポンサーとして参入しています。

eスポーツの大会やチームのスポンサーになることで、企業は10代から30代の若者へ効率的に宣伝が行えます。

3. eスポーツ選手になるには

人気が出てきているeスポーツ選手のプロになるにはどうすればいいのでしょうか。

プロのなり方はいくつかありますが、どの場合でも基本的には実力が必要です。

言い換えると、実力があれば誰でもなれます。


プロになるために専門学校などで教わる選択肢もありますが、それらはあくまで実力をつけるための方法です。

実力がなければなれません。

通わずにプロになった人も多くいます。

3-1. プロとは何か

プロゲーマーやプロeスポーツ選手という呼び方はあっても、プロになるための資格や学歴、年齢などの具体的な条件はありません。

しかし、プロという言葉には職業という意味が含まれています。

一般的にはeスポーツでの収入がある人がプロeスポーツ選手です。


収入を得るためにはスポンサーについてもらったり、賞金を獲得するなどの方法があります。

大会での成績がなくても実力を証明できればプロゲーミングチームに所属して収入が得られます。

入りたいゲーミングチームがあれば、公式サイトやSNSなどで応募資格を確認しましょう。

一定以上のランクや順位が応募条件になっています。

3-2. プロライセンスは必要ではない

eスポーツには、日本eスポーツ連合(JeSU)が発行するプロライセンスがあります。

持っていると活動の幅が広がりますが、プロeスポーツ選手になるのに必要なものではありません。

実際にプロライセンスを持つことを選ばなかった選手もいます(この選手は後にプロライセンスを取得)。
(参考:「この制度でプレイヤーはハッピーになれるのか」 トッププロゲーマー・ももちがライセンス制度に関する声明 - ねとらぼ)


ライセンスによって与えられる権利はおおむね以下の通りです。

①JeSU公認大会にプロとして出場する権利
②JeSU公認大会において、プロとしての特典(賞金(報酬)、賞品を含むがこれらに限られない)を獲得できる権利
③日本代表として大会に出場するための権利

プロライセンスを持っていないと、出られない大会があったり、上位に入っても賞金が減ってしまうことがあります。

eスポーツが第19回アジア競技大会での種目となり注目が集まりましたが、日本代表選手として参加するのはライセンスの所持者だけです。


日本eスポーツ連合が関与しない賞金制の大会や、日本eスポーツ連合とは関係ないプロリーグは多くあります。

そのため、そもそもプロライセンス制度が必要なのかという議論が長く続いています。


プロライセンスを取るためにはどうすればよいのでしょうか。規約を見てみましょう。

1 JeSU 公認プロライセンスの定義
1.1 JeSU 公認プロライセンスとは、JeSU が別途定める JeSU 公認大会規約に基づく JeSU 公認大会において好成績を収め、競技性、興行性ある大会等へ出場するゲームプレイヤーとしてプロフェッショナルであるという自覚を持ち、スポーツマ ンシップに則り、国内eスポーツの発展に寄与し、ゲームプレイの技術の向上に日々精進することを誓約する者で、ライセンス取得に相応しいと判断された者に対して、本規約2条における種別に応じて発行されるプロライセンスのことをいう。(「JeSU 公認プロライセンス規約」より引用)


この規約によると、まずは大会で好成績を収めてJeSUからプロライセンスに相応しいと判断してもらう必要があります。

この他にもいくつかの条件がありますが、入賞するだけの実力がないとプロライセンスはもらえません。

4. eスポーツの種目

eスポーツの種目となっているゲームタイトルは多くあります。

ゲームジャンルは格闘ゲーム、カードゲーム、FPSなど様々です。

・eFootball™
・GUILTY GEAR -STRIVE-
・グランブルーファンタジー ヴァーサス
・コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー
・ストリートファイターV チャンピオンエディション
・DNF Duel
・鉄拳7
・デッド オア アライブ6
・TEPPEN
・Virtua Fighter esports
・パズドラ
・『ぷよぷよ』シリーズ
・BLAZBLUE CENTRALFICTION
・BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE
・モンスターストライク
・リアルタイムバトル将棋®
・レインボーシックス シージ

上記は日本eスポーツ連合の公認タイトルとされています。以下はそれ以外のタイトルの例です。


・「eBASEBALLパワフルプロ野球」シリーズ
・「eBASEBALLプロ野球スピリッツ」シリーズ
・エーペックスレジェンズ
・オーバーウォッチ
・Counter-Strike: Global Offensive (CS:GO)
・クラッシュ・ロワイヤル
・グランツーリスモSPORT
・荒野行動
・THE KING OF FIGHTERS XIV
・SAMURAI SPIRITS
・シャドウバース
・Zwift
・StarCraft II: Legacy of the Void
・ストリートファイターⅡ
・「スプラトゥーン」シリーズ
・太鼓の達人Nintendo Switchば~じょん!
・「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズ
・Dungeon & Fighter (アラド戦記)
・伝説対決 -Arena of Valor-
・DOTA2
・ドラゴンボールファイターズ
・ハースストーン
・PUBG:BATTLEGROUNDS
・PUBG Mobile
・「FIFA」シリーズ
・フォートナイト
・フォールガイズ
・ブロスタ
・プロ野球スピリッツA
・Vainglory
・マインクラフト
・リーグ・オブ・レジェンド


eスポーツはオリンピックの正式種目として検討されています。

しかし、現状では暴力表現やゲームタイトルの版権の問題などが課題です。

5. まとめ


かつてゲーム脳という言葉が流行し、依存症などのゲームの有害性が叫ばれました。

そのようなマイナスイメージの影響もあってか、今でもゲームをすることにいい印象を持たない人はいます。

日本eスポーツ連合の会長は次のように述べています。

JeSUが最も大事にしているのは、必ずしも日本の社会でポジティブに評価されていないゲームの印象を改善し、合法的にeスポーツを普及させること。
「日本の「eスポーツ」が世界に遅れる根本理由 | ゲーム・エンタメ」

新しく出始めたeスポーツという言葉。

知らなかった人は、これを通してゲームを捉えなおすきっかけにしてください。


eスポーツの大会は、世界規模のものから個人主催の小さな規模のものまであります。

eスポーツに興味がある人は、大会に出てみてはどうでしょうか。