プロゲーマー以外にも‼ eスポーツに関するお仕事

公開日: 2020/10/23 更新日: 2020/10/23
Shadowverse公式Twitter

最近は国内開発のゲームでも高額の賞金が獲得できる大会が増え、日本内でもeスポーツに追い風が吹いていると言えます。

Cygamesが運営を行っているDTCG(デジタルトレーディングカードゲーム)『Shadowverse』が、優勝賞金1億1千万円の大会『Shadowverse World Grand Prix 2019』を開催。
ガンホーが運営を行っているアルティメットカードバトル『TEPPEN』でも、賞金総額5千万円の大会『TEPPEN WORLD CHAMPIONSHIP』が開催されました。

近年、将来なりたい職業ランキングの6位に『Youtuber』、4位に『ゲーム制作関連』がランクインしていることもあり、将来は『プロゲーマー』を目標にしている子供達も増えてきていると考えられます。

しかし実際にプロゲーマー1本で生活していけるのか疑問だったり、そもそもプロゲーマーとはどういった職業なのか、イメージが漠然としている方も多いのではないでしょうか?
今回はプロゲーマーという職業や、プロゲーマー以外でeスポーツに関わる職業について紹介します。

1. プロゲーマー

近年様々なゲームで大会が開催され、その需要が増えつつある「プロゲーマー」という職業ですが、その実態はどのようなものなのでしょうか。

1-1. そもそもプロゲーマーとはどういう職業なのか

プロゲーマーとは、ゲーム・コンピューターゲームの大会などに出場して賞金や報酬を得る『職業』としてのゲーマーのことを指します。
2020年現在、日本国内にも『DaToNator』『DetonatioN Gaming』『SCARZ』など複数のプロゲーミングチームができています。
これらのチームにはプロサッカーやプロ野球のようにスポンサーが付いており、その生活や活動の支援を行っています。

1-2. プロゲーマーの平均年収は?

それでは、プロゲーマーの年収はどれぐらなのでしょうか?

『日本人の平均年収は約460万円』
平均年収.jpによると、プロゲーマーの平均年収は『468万円』とされています。
しかしながら、実際この平均年収通りの額を毎年貰えるというわけではありません。

当然ながら、賞金で稼ぐ為には大会に出場して、それなりの順位で勝たなければいけません。
さらにMOBAやFPSといったチーム戦での大会では、賞金を貰えてもグループで分配されるので思っている以上に貰えないのが現実です。
ちなみに、巨額の優勝賞金を獲得するには、海外大会への遠征も視野に入れる必要があります。

日本のプロゲーマー第一人者でトップゲーマーのウメハラ選手は、メディアインタビュー内で『年収は5000万円よりもずっと少ない』と仰っています。
このことから、平均年収は一部のトップユーザーが平均を押し上げているのではないかと考えられます。

1-3. プロゲーマーだけで生活できるのか?

上記の平均年収からも、現状『プロゲーマーだけで生活をしていくのは難しく』、プロゲーマーは『安定からは程遠い職業』であることが分かります。
だからといって『小さい頃からプロゲーマーを目指し、ゲームにだけ熱中して、高校や大学へは行かない』という選択肢はやめるべきだと考えられます。
DTCG『ハースストーン』のプロプレイヤーであるThijs選手は、大学3年生の時にハースストーンのプロプレイヤーとなり大学を退学しました。
そんなThijs選手でも『自身のゲーム配信内で真似はしちゃダメだよ。学業が最優先だ。』と回答しています。


ハースストーンプロプレイヤーであるThijs選手:Twitter

海外のトップ実況者であるNinjaさんも、ある番組で「将来のことも考えて学校でしっかり勉強した」と述べています。


参照動画:https://youtu.be/yhPzXu4qQM

以上のことから『学業は優先』し『将来を見据えた』上で、可能な限り『プロゲーマーの道を目指す』というのが、正しい選択肢ではないかと思います。


1-4. 法律による賞金の壁

日本では景品表示法によって、大会等で掲示できる賞金の限度額が決められてしまうため、高額賞金を出すことが非常に難しいです。

この法律により、賞金は10万円もしくはゲーム代金の20倍までとなってしまうからです。



これらの問題は『ゲーム大会で使われるゲームを販売していない会社や団体』が賞金を出せば回避できますし、JeSU(日本eスポーツ連合)が発行している『プロライセンスを取得』することで、特定の大会では高額の賞金を獲得できるようになっています。

冒頭で述べた『Shadowverse』や『TEPPEN』が高額賞金を出せるのは、このような理由があるからです。


しかしプロライセンスを取得していない場合、賞金の限度額は10万円です。

「ストリートファイターV」で優勝した、ももち選手の賞金が500万円から10万円に減額されたニュースが話題になりました。


また、国内のみならず国外での大会でもこの法律は適用されてしまう為、海外の大会で優勝しても賞金が貰えないというケースが発生してしまう場合があります。


2. ある程度安定した収入を得られる仕事は?

プロゲーマーは、これらの理由から安定とは遠い職業となっています。
では、ゲームと関連しながら安定した収入を得られる職業はあるのでしょうか?
そこで今回は、ゲームに関わるゲーマー以外の職業を調べてみました!

2-1. ゲーム実況者

TwitchやYoutube等でゲーム配信を行い、サブスクやドネート等で収入を得る職業です。
なりたい職業4位の『Youtuber』に近い職業だと思います。

サブスクとは
Subscribe(サブスクライブ)の略称、月額課金で配信者を支援する機能のことです。
特典として、限定の絵文字を使える等があります。この限定絵文字を作るのも、実況者の腕の見せ所だと思います。
参考URL:https://help.twitch.tvhttps://gamershi.com/s/article/how-to-use-twitch-prime-subscriptions?language=ja (Twitch Primeサブスク収益ガイド)

ドネートとは
ドネート(Donate)は寄付・贈与という意味で、文字通り配信者に投げ銭をすることを言います。

こういった配信では、上手くいけば有名企業からのスポンサーが付く可能性があります。
更にプロゲーマーと併用して活動できることも可能です。

配信した内容を後日まとめてYoutubeに投稿することで、更にお金を稼ぐことができます。
有名実況者になれば、それだけ動画の再生数も伸びるので、収入は増えていきます。
ただしゲーム実況者だけで生活するためには、毎日の配信等、本当にそのゲームが好きでないと厳しい内容となっています。
大勢のフォロワーを獲得するためには日々努力をしなければいけません。

2-2. eスポーツ施設スタッフ

『eスポーツの普及』を目的とし、ゲーミングPCを設置している24時間営業の『eスポーツ施設』のインターネットカフェが最近増えてきています。
このような場所でスタッフとして働くのも、ゲームに関連を持ちながら安定した収入を得られる職業と考えられます。
学生の間であれば、特定のゲームの知識が必要ではないので、アルバイトとして働き将来を見据えることも可能です。

全国にeスポーツ施設がありますが、今回は2店舗を例として紹介します。

LFS 池袋 esports Arena

株式会社E5 esports Works(ゲーミングPCブランド「ガレリア」を開発しているサードウェーブのグループ会社)が運営する、東京の池袋にあるeスポーツ施設です。

CPU:intel Corei7 8700
グラフィックス:NVIDIA GEFORCE GTX1080Ti
メモリ:16GB(8GB×2)
SSD:250GB

上記のハイエンドPCを使用することができ、大規模な大会から個人での利用までeスポーツを楽しむことができます。

URL:https://www.lfs-esportsarena.jp/

コミュファeSports Stadium NAGOYA

11月15にオープンした、愛知県名古屋市にあるeスポーツ施設です。
PC GALLERIA XFを使用することができます。
200インチ超の大型LEDビジョンや情報配信機材も完備されており、プレイだけでなく観戦も最大100名まで可能となっています。

URL:https://www.esports-stadium758.jp/

2-3. コーチング

実力があるプレイヤーが強くなりたいプレイヤーに対して指導することを『コーチング』と言います。
主にDiscordやSkype等の通話ソフトを用いて画面共有し、マンツーマンで教えるのが主流です。
それ以外にも、個人で講座形式で大勢に教える場合もあります。

相場が決まっておらず、自分で自由に値段を決めることができるのが特徴です。
しかしそのゲーム界隈で、ある程度の知名度と実力がないと収入は厳しく、コーチングを本業にするのは難しいと考えられます。

2-4. マネージャー

プロゲーマーにも、大会登録や調整を行うマネージャーが勿論必要になってきます。
マネージャーに必要な資格はありませんが、求められるスキルはかなり高いものとなっています。

必要なスキルとしては、人材管理、選手のメンタルケア、国内外の大会の調査やエントリー等が必要不可欠となっています。
学校でマネジメントを学び、プロゲーマーを支えるのも大切な仕事だと思います。

2-5. 企画・運営

大会の企画や運営をする場合はそのゲームを提供している会社に入り、専用の部署に所属する必要があります。
年収は、平均で約400万円です。
他にも企画や運営だけをしている会社もあるので、そういった会社に就職する選択肢もあります。

3. どうやって就職する?

それでは、eスポーツ関連の仕事に就職するにはどうすればいいのでしょうか。
今回はIndeedとスタンバイ 2つの求人サイトで「eスポーツ」と検索した結果を表示します。

3-1. Indeed

Indeedで検索してみると、eスポーツ施設のスタッフやガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社でのイベント担当、eスポーツの運営を担当するPUBG株式会社等がヒットしました。

3-2. スタンバイ

スタンバイで検索した結果、AbemaTVで放送されている「ウルトラゲームス」のAD(アシスタントディレクター)の募集、eスポーツ施設のスタッフ、eスポーツサイトの編集スタッフ等がヒットしました。
こちらも正社員の運営スタッフとしてゲームに携わる求人が多く、プロゲーマーとしての求人はありませんでした。

4. その他こんな面白い求人もあります!

求人情報を調べているうちに、別のベクトルからゲームに携わることができる仕事を見つけました。

4-1. 実際にゲームを作る側になる

求人検索してみると、【フリーランス】3DCGアーティスト (VFX、エフェクト制作経験者)といった、ゲーム制作側の募集を多々見ることがありました。
ゲームが好きでしたら制作に進むという道もあります。
ハースストーンのリードデザイナーであるDean Ayalaさんも、元々は1人のハースストーンプレイヤーからBlizzardに入社し、現在はカードの開発やデザインをしています。

5. まとめ

今回の記事では、プロゲーマーという職業、そしてその他ゲームに関する職業について紹介しました。
日本ではまだまだプロゲーマーだけで生活していくのは難しいのが現状だと考えられます。
どうしてもプロゲーマーになりたいのであれば、配信やコーチング等も視野に入れながら日々鍛錬をする事が大事だと思います。
そしてプロゲーマーを目指しながらも学校はきちんと通うことも大事だと考えます。
またプロゲーマー以外にもeスポーツ関連の仕事はあり、年々増えています。
安定した収入を得る場合は、eスポーツに関連する会社に就職するという道があるのも覚えておいてください。