複数レトロゲーム機のセーブデータに対応した吸い出し機「Cartridge Reader」

公開日: 2022/2/4
PS5やNintendo Switchでは多くのレトロゲームがアーカイブスやバーチャルコンソール、Nintendo Onlineなどで配信されています。

しかし、時には配信されていないレトロゲームをプレイしたくなる事もありますよね。

そして、懐かしのゲーム機でゲームをしようとしてもゲームが起動しないという問題にぶつかる可能性も高いです。

そんな時は、吸い出し機でセーブデータやゲームデータを吸い出してみてはいかがでしょうか。

思い出のゲームが完全に故障する前に大事なデータを吸い出して保管しておきましょう。

※ゲームデータの無断アップロードは犯罪ですので絶対にやめましょう。

今回は、筆者がKickstarterで投資したプロジェクト「Save the Hero Project」のゲーム吸い出し機 「Cartridge Reader」を紹介します。

1. Cartridge Reader(カートリッジリーダー)

https://www.kickstarter.com/projects/save-the-hero/salvage-writes-save-data-to-your-cartridge/posts/3393062

Save the Hero ProjectのCartridge Readerは複数のレトロゲームに対応した吸い出し機(ダンパー)です。

ゲームデータ(ROM)とセーブデータの読み込みと書き込みに対応しています。

Cartridge Readerは複数のゲーム機のゲームカセットに対応しています。

対応しているゲーム機は以下の通りです。

・GB(ゲームボーイ)
・GBC(ゲームボーイカラー)
・GBA(ゲームボーイアドバンス)
・SFC・SNEN(スーパーファミコン)
・N64(ニンテンドウ64)
・MD・GENESIS(メガドライブ)
・FC・NES(ファミリーコンピュータ)※追加アドオンが必要
・GG(ゲームギア)※追加アドオンが必要
・PCE(PCエンジン)※追加アドオンが必要
・WS(ワンダースワン)※追加アドオンが必要
・NGP(NEOGEOポケット)※追加アドオンが必要
・N64コントローラパック ※追加アドオンが必要


一部ゲーム機や特殊カートリッジの読み込みには追加アドオンの購入が必要な場合もあります。

スーパーファミコンは各メーカーが特殊チップを開発してカセットに搭載していたため、吸い出しが不安定になる可能性があります。

スーパーファミコンのゲームで特殊チップを搭載している有名なゲームをいくつか挙げておきます。

・スーパーマリオカート(DSP)
・ロックマンX2・ロックマンX3(CX4)
・星のカービィスーパーデラックス・星のカービィ3(SA-1)
・スーパーマリオRPG(SA-1)※追加アドオン必須
・スターオーシャン(S-DD1)
・ストリートファイターZERO2(S-DD1)
・スターフォックス(Super FX GSU-1)
・スーパーマリオ ヨッシーアイランド(Super FX GSU-1)
・DOOM(Super FX GSU-1)


SA-1チップを搭載しているゲームを吸い出すには追加アドオン「Read SNES Cartridge with SA-1 Chips」が必要です。

2. 基盤むき出しのデザインがかっこいい


Cartridge Readerは基盤むき出しの見た目が非常にかっこいいです。

本体カラーは複数から選べるのですが、筆者はブルーを選択しました。

上部には複数のゲームカセット挿し口があります。

手前から「N64」「MD」「SFC」のゲームカセットの挿し口となっています。

本体底部には「GB・GBC・GB」に対応したゲームカセットの指口があります。

左側の白い部分にはMicro SDカードが挿されており、こちらに吸い出したデータが格納されるようになっています。

見て分かるように、グラついているため固定するためにスペーサーを入れるのも良いかもしれません。

故障してもサポートは受けられないため、自分で色々工夫してみましょう。

3. Cartridge Readerの使用方法


3-1. マグネットケーブルがおすすめ

Cartridge Readerを使用するにはMicro USBケーブルで本体へ給電する必要があります。

しかし、Cartridge ReaderのMicro USB差し込み部分は非常に脆く折れやすくなっているようです。

そのため、Save the Hero Project公式ではマグネットケーブルの使用を推奨しています。

筆者もAliexpressで200円前後のマグネットケーブルを購入して使用しています。


https://ja.aliexpress.com/


Cartridge Readerをきっかけに購入しましたが、マグネットケーブルは非常に便利ですね。

Type-CやMicro USBなどを気にせずに1本のケーブルで充電ができます。

現在はCartridge Reader以外にもゲーム機、コントローラなどにもマグネットケーブルを使用しています。

3-2. 物理スイッチを切り替える


Cartridge Readerは複数のゲーム機の吸い出しに対応していますが、 ただゲームカセットを差し込むだけではデータを正しく吸い出すことはできません。

吸い出すゲーム機に対応したスイッチ切り替えが必要になります。

スイッチの切り替えは本体に付属しているポストカードに記述されているURLなどで確認できます。

4. 実際にゲームを吸い出してみる



Cartridge Readerを使用して実際にゲームを吸い出してみましょう。

今回はスーパーファミコンの名作「スーパーマリオワールド」を使用してみます。

スーパーマリオワールドはスーパーファミコンの最初期の作品です。

特殊チップは使用されていないので、問題なく吸い出しが行えるはずです。



カセットの情報を読み込むと「Name:SUPERMARIOWORLD」と表示されました。

正確にゲームデータを認識できたようです。

他にもゲームデータのサイズやゲームのバージョンなどの詳細な情報が表示されます。

ここで表示される内容がおかしい場合は「カセットが偽物」である可能性があります。

吸い出し機は偽物のカセットを見抜けるツールでもあるんです。

最近はメルカリなどに偽物のカセットが大量に出品されているため、レトロゲームコレクターの人は注意しましょう。



たった3秒で吸い出しが完了しました。

早すぎてちょっと不安ですが、問題なく吸い出しが行えたようです。

吸い出したゲームデータはCartridge Readerに差し込まれているMicro SDカードに保管されています。

Micro SDカードの差込口はグラグラしているので、慎重に取り出しましょう。




Anbernic RG280Vで正常な動作が確認できました。

他の中華ゲーム機やWindowsのエミュレーターでも動作するはずです。

マルチエミュレータ「RetroArch」はSteamでも無料で配信されています。

※ゲームデータ(ROM)は必ず自分でカセットから吸い出して遊びましょう

「RetroArch(Steam)」

https://store.steampowered.com/app/1118310/RetroArch

5. Cartridge Readerの入手方法

https://www.kadenken.com/

Cartridge ReaderはKickstarterプロジェクト「Save the Hero Project」として資金を募っていました。

プロジェクトは無事成功し、支援金募集は既に終了しています。

秋葉原などでは期間限定でCartridge Readerの販売が行われた事もありました。

現在は「電のケンちゃん」というサイトで「完全受注生産」で購入できるようになっています。

Kickstarter時点とは異なるデザインの物も販売されています。

とても見た目がかっこいいので、Kickstarter支援者の人も観賞用にもう1つ買ってみるのも良いかもしれません。

受注生産ですので、価格は高く手元に届くまで時間がかかると思います。

2021年12月の注文分は2022年2月に発送される予定だそうです。

※2022年1月7日時点では注文の受付は中止されています。

「再入荷のお知らせを受ける」ボタンから再入荷の通知を受け取るメールアドレスを指定することができます。

大変人気な商品なため、欲しい人は忘れずに再入荷の通知設定をしておきましょう。

電のケンちゃんは銀行振り込みのみに対応したサイトです。

クレジットカードやPaypal、代引きでの支払いはできないためご注意ください。

「Save the Hero project【受注生産】 Cartridge Reader 【2022年2月発送分】」
価格:15,600円(送料抜き)
https://www.kadenken.com/view/item/000000001319?category_page_id=ct191

6. まとめ

今回は複数のレトロゲーム機に対応した吸い出し機「Cartridge Reader」を紹介しました。

Cartridge ReaderはゲームのROMやセーブデータを吸い出し、合法的にプレイできるツールです。

GB、GBC、GBA、MD、SFC、FC、N64などのゲームを吸い出す事ができます。

Cartridge Readerはオープンソースプロジェクトで、日々開発が継続されています。

開発には誰でも参加できるため、興味のある人はGitHubを覗いてみてはいかがでしょうか。

「Cartridge Reader(GitHub)」https://github.com/sanni/cartreader


Cartridge Readerの使用方法はバージョンアップ等で変更される可能性があります。

最新の使用方法はGitHub内のWiki(英語)をご確認ください。

「Cartridge Reader V3 Wiki」https://github.com/sanni/cartreader/wiki/Cart-Reader-V3


日本でのCartridge Readerに関する情報はSave the Hero Projectが発信しています。

Cartridge Readerの最新情報はSave the Hero ProjectのTwitterをご確認ください。

「Save the Hero Project(Twitter)」https://twitter.com/CartridgeReader