巣篭もり需要によるeスポーツ業界への影響と今後について!

公開日: 2021/4/6

2020年に起こったコロナによるパンデミックで緊急事態宣言が発令され、自粛により自宅で過ごす時間が急増しています。

これによって様々な業界に影響が出ており、eスポーツ業界においても追い風と不安要素のどちらも出てきています。

今回はコロナによって起こった「巣ごもり需要」により、eスポーツ業界にどのような影響を与えたか、また今後のeスポーツ業界についてお話いたします。

1. ステイホーム需要はeスポーツ業界の追い風になっている?!

緊急事態宣言による自粛で多くの人が自宅で過ごすことになり、ゲームが注目されて需要が伸びてきています。

特に注目されいるのがどうぶつの森やCOD・フォートナイトなど、オンラインで遊べるゲームです。

https://www.gamespark.jp/article/2020/03/11/97413.html

ここからは新型コロナがゲーム業界やeスポーツ業界にどのような影響を与えたか、ご紹介してきます。

1-1. 新型コロナウイルスが与えたゲーム業界への影響

新型コロナウイルスによる自粛で、自宅で楽しむことができるゲームが注目され、結果ゲーム業界にとっては売上が伸びる追い風となっています。

特に大きく売上を伸ばしたのが2020年3月に発売されたNitendo Switch用ゲーム「あつまれ どうぶつの森」で、発売本数は2600万本を超えています。

自身で好きなように島の開発を行い、釣りや虫取りなど家に居ながらも楽しむことができるのですが、これをオンラインで遠距離の友達とも共有することができます。

自由度の高さとオンラインでの集まりやすさに注目され、なんとゲーム内で卒業式や結婚式・交流会などが開かれました。

https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2020/021834.html

コロナによってゲーム業界では、オンラインで遊べるゲームの需要が伸びたという影響が出たことがわかります。

1-2. 新型コロナウイルスが与えたeスポーツ業界への影響

コロナによってゲーム業界が追い風になったのはわかりましたが、ではeスポーツ業界ではどんな影響が起こったのか気になりますよね。

eスポーツ業界ではオフラインで開催だったイベントの殆どが、活動自粛によってオンライン開催へと切り替わりました。

これまでと同じくオンライン開催でもプロ同士での対戦がメインではありますが、一般のプレイヤーと対戦可能な交流イベントなども行われるようになっています。

またテニスやバスケットボールなど現実のスポーツ大会が中止された際、代わりにeスポーツとしてゲームを使って大会が開催されました。

テニスプレイヤーの錦織圭選手や大坂なおみ選手が、「マリオテニスエース」を使用してのチャリティーイベントに参加したことが話題になっていました。

https://www.famitsu.com/news/202005/04197959.html

F1などモータースポーツ業界も公認ソフトを使ってF1レーサーによるグランプリが行われるなど、各スポーツ業界からeスポーツへの注目が高まっています。

これによって普段ゲームに興味がない層にも、ゲームの魅力が発信されeスポーツ業界が拡大してきています。

1-3. ゲームは自粛になってもオンライン対戦で楽しめる

ゲーム業界・eスポーツ業界どちらにも共通して言えることが、オンラインで楽しむことができることです。

自粛によってzoomを使ってのオンライン会議やリモートワークなど、働き方がオンライン化されてきています。

ゲームは既にコロナ前からオンラインで遊べるものが多く、コロナ渦でよりオンライン化が強化されてきています。

全てをオンライン化すればいいというわけではありませんが、ゲームで補えることも増えてきています。

コロナの影響によって、ゲーム業界・eスポーツ業界のどちらも良い方向に影響が出てきていることがわかりましたね。

2. 新型コロナウイルスにより生じたeスポーツ業界の不安要素

全体的に自粛となったことでeスポーツ業界にとって追い風になりましたが、同時に不安要素も生じています。

Youtubeなどでの配信があったものの、eスポーツは元々オフラインで開催していたため、コロナの影響はやはり大きかったのです。

https://nnn.ed.jp/blog/archives/8704.html

以下ではコロナによって生じた不安要素についてご説明いたします。

2-1. 相次ぐイベント・大会の中止と制限

eスポーツは配信こそ行ってはいましたが、基本はオフラインで集まってイベント・大会が行われていました。

コロナが流行したことで予定されていたeスポーツイベントや大会が、こぞって中止となっています。

一時的に中止となったeスポーツのイベント・大会ですが、オンラインに切り替えることで開催をしているものも多いです。

https://www.bcnretail.com/market/detail/20200327_164158.html

しかし、国際大会だけは制限がかかってしまっているのが現状です。

海外の人達を呼んでのオフライン開催ができないのは勿論、オンラインでも遠い国であるほど回線が遅延するなどの問題が発生しています。

日本国内での開催ならオンラインで問題ありませんが、2021年1月現在国際大会は制限をかけての開催や大会自体が中止となってしまっています。

2-2. 予期していなかったオンライン環境への切り替え

国内のeスポーツイベント・大会はオンライン環境に切り替えて行っていますが、予期していなかった問題も発生しています。

高速通信を利用してもオンラインで必ず発生するちょっとしたラグを完璧に無くせず、多人数で同時対戦するゲームは通信トラブルが多いです。

特にアクション系のゲームはコンマ数秒を争うことが多く、ちょっとしたラグが大きなミスになることもあります。

オフラインでの戦いを前提とした練習をしてきた選手にとって、オンライン環境への切り替えは大きな変化となり対応するのが大変でした。

また選手だけでなくイベント・大会の主催者や主催企業にも問題が生じています。

オフラインでの開催を予定して準備したタイムテーブルや演出・会場は全て、オンライン化へ向けて再構築することになり、これが大きな負担となりました。

2-3. 巣篭もりによるゲーム依存症の心配

コロナによって影響が出たのは、選手や開催側だけではありません。

自宅でゲームをするためにゲーム業界の売り上げが伸びたのと同時に、ゲーム依存症に対する問題も浮上してきています。

WHOでは以下の状況が12ヶ月以上続くことをゲーム障害として定義しています。

  • ゲームの使用自体をコントロールできない
  • 日常生活よりもゲームの方を優先してしまう
  • 問題が起こってもゲームを継続してしまう
  • ゲームが原因で日常生活の別分野で明確な問題がでてしまっている

コロナ前からオンラインゲームによるゲーム依存症が問題視されていましたが、コロナ流行後は依存症になる人が急増しています。

https://style.nikkei.com/article/DGXKZO38080050S8A121C1TCC000/

特に学校が休みとなってゲームに手を出す機械が増えた思春期ぐらいの子の脳には、ゲームの依存性がかなりの中毒だと言われています。

今後ゲーム依存症にならないように何かしらの対策を打つ必要があるとされています。

3. eスポーツ業界のこれまでとこれから

コロナによってeスポーツ業界にどのような影響が出たか、良い面と悪い面の両方をお話しました。

コロナによる自粛である程度の問題は出たものの、全体的には追い風になっていることは間違いないです。

ここからは今後のeスポーツ業界の展望につて、これまでのことからどうなっていくと考えられるかお話していきます。

3-1. スポーツシーンで本格的にゲームが取り入れられる

まず大きかったのは今回の自粛で、スポーツシーンにゲームが取り入れられたことです。

ゲームでやるのと実際にやるのとでは感覚が違いますが、スポーツゲーム自体発展してよりリアルなものに近づいています。

Nintendo Switchで発売されているオリンピックのゲームでは、コントローラーをラケットにしての卓球や、グローブにしてのボクシングなどが遊べます。

F1レーサーのイベントで使われたグランツーリスモは、運転席を再現した専用コントローラーが出ています。

グランツーリスモ自体ゲームのクオリティが高く、専用コントローラーを使って実際にF1レーサーが練習に取り入れているほどです。

https://game.watch.impress.co.jp/docs/kikaku/1248538.html

こういったスポーツゲームのクオリティをよりあげていけば、後々スポーツシーンでゲームを使った本格的な大会が開かれると考えられます。

3-2. 5Gなどの高速通信でよりラグが無くなる

通信の問題で起こってしまうラグも、今後普及する見込みがある5Gを取り入れれば、大分改善されます。

5G通信には以下のような主要性能が搭載されています。

  • 最高伝送速度10Gbpsの超高速通信
  • 1ミリ秒程度の超低遅延
  • 1平方km内で100万代に同時接続可能

超高速通信や超低遅延によって心配されていたラグがほぼほぼ解消されていくと考えられます。

同時接続数過多によって、誰かが接続できなくなってしまうといったこともほぼなくなります。

https://www.soldi.jp/articles/about_5g/

2021年1月現在5G対応エリアが少なくあまり普及されていませんが、今後エリアが広がり普及していきます。

そうなればeスポーツでも間違いなく取り入れられ、ラグなどを一切気にせず試合に集中できます。

3-3. コロナウイルスによる活動自粛はeスポーツを広めるチャンス

コロナウイルスによる自粛によって、スポーツシーンでゲームが取り入れられたことで、普段ゲームをしない人にも触れる機会が増えました。

ゲーム自体に興味がある人にしか広まらず頭打ちになっていましたが、これをきっかけに幅広く普及され始めています。

コンシューマーゲームの売上が今まで以上に伸びてきている点を見ても、広まっていることは間違いないです。

懸念点に関しても、ゲーム依存症以外は全てクリアできる見込みがあります。

依存症に関しては、依存できるほどのゲームを開発していると前向きに捉えることもできます。

今後依存症と向き合えるようなゲームができれば、コロナによる自粛と相まってより盛り上がっていくと考えられます。

4. まとめ

今回は「巣篭もり需要によるeスポーツ業界への影響と今後について!」をご紹介いたしました。

コロナによる自粛要請によって巣ごもり需要ができ、結果eスポーツ業界では追い風となっています。

ただし不安要素も出てきており、問題も浮かび上がってきてはいます。

今後浮かび上がってきた不安要素の殆どは解決していく見込みがあるので、eスポーツ業界はより一層伸びていくと考えられます。